2011年 12月 30日
new york minute |
いつも旅行に出掛ける前は、ちゃんとしたカメラを買って、芸術的な写真を一杯撮って、frannyさんみたいにブログにアップしたいなあと思うのだけど、今回も結局、携帯電話のカメラで撮った、ボケボケの写真ばかりになってしまいました。スミマソ。
メトロポリタンオペラでは「ドン・ジョヴァンニ」を見た。
METは世界最高峰のオペラハウスではあるのだけど、たとえばウィーンのオペラハウスなんかとはずいぶん雰囲気が違う。
ホワイエでプラスチック・コップのビールを飲みながら、この雰囲気はどこかで見たことがあるなあ、と思ったら、ディズニーランドの劇場がこんな雰囲気なんだよ。
シンデレラ城がドイツのノイバンシュタイン城のコピーだと言うことは有名なのだが、METも同じなんだ。
凄い快適で、ピカピカなんだけど、どこか新しい。どこか「ごっこ」っぽい。
METだって歴史はあるんだけどね。
METは欧州のオペラハウスとは違い、国家や州の援助を受けて運営されてはいない。屋台骨を支えているのはパトロンたちの寄付である。
だから演目も、演出も、よくも悪くもconservativeだし、歌手たちも名の通った大スターが中心、オペラハウスの雰囲気そのものが、そのような浄財を寄せる米国のリッチパーソンたちの好みに寄り添うように出来ている。
たとえばバイロイト歌劇場は、ワーグナーが上演中に客が居眠りをするのを嫌い、座席にクッションをつけず座り心地が良くないままにしたという。ここにはいまだにエアコンのひとつもついていない。
そういう「上から目線」の高踏的な雰囲気が欧州のオペラハウスにはあるが、METにはそれがない。
どこかフレンドリーで、親しみやすいのである。
ディズニー映画に出てくるみたいな上流階級の雰囲気がある。
お姫様気分になりたい女の子を連れて来て男が見栄を張るには最高の場所であるかもしれない。
ただ、途中で居眠りをしては駄目だよ。w
by shinichirowien
| 2011-12-30 11:34
| NY日記